どのように勉強するか

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日本人の英語力が過去最低を更新

日本人は英語が話せないという結果がでました。



「日本人の英語力はまったく伸びていない」というのは、ここ数年来言われ続けてきたことですが、これを裏付ける具体的な数値が発表されました。


世界116ヶ国で外国語学習や留学などを手がけるEF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト)社の2018年版の「EF 英語能力指数」が公開されました。


それによると、日本の順位は参加した88ヶ国中で過去最低となる49位となり、スコアは「低い」に分類されています。


この「低い」というにカテゴリーに含まれているのは、47位の中国、48位の台湾、50位のパキスタン、51位のインドネシアとなっていて、それ以外は中東や南米の諸国がランクインしています。


ここで問題となるのは、このランキングが開始された2011年は44ヶ国中14位で、英語力も「標準的」に分類されていたことです。
その後参加国が増えた影響もありますが、毎年順位を落としながら2016年に「低い」に転落してしまいました。


そして今年、前年から12位ランクダウンして過去最低となる現在の49位となりました。


ニュースサイトEconomic NewsはEFジャパンの代表取締役、サンチョリ・リー氏の「世界中で英語教育への取り組みが進む中、日本と他国との差が相対的に開きつつある」というコメントを紹介しています。


このランキングの「低い」というランクの英語力は「観光客として英語を話す国を旅することができる」「同僚とちょっとした会話ができる」「同僚からの簡単なメールを理解することができる」というレベルのものです。


もちろんこうしたテストに参加するのは少なからず英語学習の意志のある人になるため、このレベルの英語力を持つ実際の数は期待できるほどには多くないでしょう。


そんな状況下ですが、政府は観光立国でインバウンドを狙うことを公言していて実際に訪日観光客が激増している上、に、このたび、実質的な移民受け入れにという方向に向かって大きく舵を切りました。


この状況を踏まえれば、英語を使うのは海外と仕事をするビジネスマンに留まらず、今後はどのような生き方をするにせよ英語は日本人の必須のスキルとなってきます。


そんな状況の下でのこういった足踏みは、大きな機会損失に繋がることは間違いありません。
まずはこの数年での英語力の急激な低下の原因を調べる必要がありますが、英語を学ぶための「余力」が失われているのだとすれば致命的となる可能性があります。

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